エステ個人事業主の税金 vol.3
個人事業主ができる節税対策
個人事業主は利益と経費を確定申告し納税する義務があります。個人事業主にとって税金の支払いというのは、なかなかの負担といえます。なるべく税金を抑えるためにも節税対策をおこなうに越したことはありません。ここでは3つの方法をご紹介します。
経費と控除を増やす
所得税とは収入から経費や控除を引いた額から算出します。所得税を減らすために、経費や控除の割合を見直すという方法があります。移動にかかった電車代や、文具代など事業に関わる支出は経費として計上できます。自宅を個人サロンとして役務を提供しているような場合には、自宅家賃をはじめ、自宅水道光熱費や自宅電話代なども経費として計上することが可能です。具体的に個人エステで経費にできる支出の一例をあげてみます。
エステの経費例 ・施術に使うオイルやクリームなどの粧材購入費 ・カウンセリング時のお茶代 ・ペーパーブラやタオルなどの消耗品 ・チラシや名刺などの広告費 ・パーティーなど交流会で支払った会費 ・サロンの家具購入費 ・セミナーなどの参加費 ・展示会等の入場費 ・業務に関する書籍の購入費 ・交通費 |
青色申告をおこなう
確定申告では、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告の対象となるのは山林所得や不動産所得、事業所得を有する人で、もちろんエステ個人事業主も該当します。青色申告をおこなうと、さまざまな特典がついてきますが、そのひとつとして所得から差し引くことができる「青色申告特別控除」という特典があります。条件により10万円か65万円の控除を受けることができるので、その分の課税対象所得が減り節税できます。65万円の控除をうけるためには正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して申告することが必要となります。
少額減価償却資産の特例を活用
減価償却とは内装設備や機械設備などの固定資産を、購入した年ではなく何年かに分割して費用として計上できる方法です。経費となるため、所得税の節税につながります。なかでも30万円未満の資産の場合は、少額減価償却資産の特例を適用することができます。少額減価償却資産の特例では、30万円未満の資産を一括して経費として計上できるため、その年の所得税に対する節税になります。この特例の対象となるのは青色申告をおこなっている中小企業者、農業協同組合などで、常時使用する従業員の数が1000人以下の法人です。中小企業者についての詳細条件などは国税局のホームページをご参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
確定申告はネットで簡単にできる時代
確定申告の書類作成は時間もかかるうえに、非常に面倒な作業のひとつですが、今はインターネットを使って簡単に申告をおこなうことができます。国税庁が提供している「確定申告書等作成コーナー」というホームページから意外と簡単に作成ができます。わからない言葉などはインターネットで検索しながら進めるといいでしょう。また途中で作成をやめたいときはデータを保存できるので便利です。昨年度のデータを読み込むことにより、入力が省ける記載事項もあるので、データは保存することをおすすめします。「e-Tax」というシステムでは、利用環境に制限があったり事前登録などが必要ですが、申告書をインターネット上で提出することができます。国税局が用意している確定申告作成のホームページを参考にしてみてください。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl