1. HOME
  2. これ知ってた?ビジネスよろず屋ブログ
  3. 時代は第三次AIブーム真っ只中!vol.1
これ知ってた?ビジネスよろず屋ブログ
時代は第三次AIブーム真っ只中!vol.1

時代は第三次AIブーム真っ只中!vol.1

紆余曲折の人工知能の歴史

AIの発達で世のなかの仕事の半分近くは機械に奪われるといわれています。これはエステ美容経営もハンドサービス現場以外は例外ではないでしょう。今回はAIを正しく理解するため、人工知能の歴史に着目し現時点でのAIについて紐解いていきます。

AIという言葉の意味と発祥

AIとは「Artificial Intelligence」の頭文字をとった言葉で「人工知能」のことを表します。人工知能とは記憶や学習、推測、判断など人間の脳がおこなう知的な作業をコンピュータが実行することです。あまり知られていないことですが、AIの歴史は古く、第2次世界大戦が終戦するころから1950年代にかけて学問として確立しました。AIの研究は、進化のたびに熱狂的に盛り上がり、技術が停滞すると着目されなくなるという破線を描くようなサイクルを繰り返してきました。2006年以降は第三次ブームが起こっていると言われています。

人工知能という考え方はなんと古代ギリシャ時時代にまでさかのぼるとされています。ギリシャ神話ではオリュンポス十二神のひとりであるヘーパイストスが青銅製の自動人形「タロース」をつくったという話が残っています。他にも中世のヨーロッパでは錬金術師パラケルススがつくったとされる人造人間「ホムンクルス」、ユダヤ教の伝承に登場する泥人形「ゴーレム」など、人工知能の概念は神話やフィクションで何度も取り上げられてきました。

1940年代にはいると、数学や工学、心理学などのさまざまな分野で人工頭脳の可能性が本格的に議論され始めました。「機械は思考できるのか」という議論に対する最初の提案となったのは、コンピュータ開発の父と呼ばれるアラン・チューリングが提唱した「チューリングテスト」です。チューリングテストとは審査員がひとりの人間およびひとつのプログラムとそれぞれ対話したのちに、会話内容だけで人間かプログラムかを判断するテストです。これまでの歴史のなかで合格できたのはたったひとつだけで、13歳の少年を想定したプログラムです。これは1954年6月7日にアラン・チューリングの命日を記念して開催されたイベント「Turing Test 2014」で発表され話題となりました。

「AI」という言葉自体は、アラン・チューリングの死後2年後におこなわれたダートマス会議で学者ジョン・マッカーシーが最初に提唱したと言われています。ダートマス会議とは人工知能を正式に学問分野として確立した会議の通称で1956年におこなわれました。

AIブームを追う

AIブームは第一次から第三次までにわけられているとされています。ブームを追うごとにAIが進化していくのがよくわかります。

◯第一次AIブーム:探索と推論

第一次ブームが起こったとされるのが1956~1974年です。この時代にコンピュータによる「探索」と「推論」が可能になりました。具体的にはゴールやルールのあるチェス、迷路を解くことができるプログラミングが開発されました。ただ、単純な計算や証明はできても複数の要因がからまった問題を解くことができないという性能的な限界が見えAI自体に対する注目度は徐々に下火となりました。研究の資金不足やコンピュータのメモリ容量、速度の不足も要因となったといわれています。

◯第二次AIブーム:エキスパートシステム

次のブームは1980年~1987年に起こりました。第一次ブームを受け、第二次ブームでは専門家の「知識」を組みこむことである特定の分野の問題を解決するシステムが生まれました。これを「エキスパートシステム」とよびます。開発されたのは有機化学物質の構造解析をおこなう「Dendral」、血液感染症診断の「MYCIN」などです。問題となったのは、判断に必要となるすべての情報は必ず人間がプログラミングする必要があったという点です。当時は世のなかの膨大な情報をすべてコンピュータに組み込むことは難しく、専門的な範囲でしか実現はできませんでした。

◯第三次AIブーム:ディープラーニング

2006年からはじまったのが第三次ブームです。大量の情報を処理できる高性能のマシンの発達と、ビッグデータ取得のおかげで一気にイノベーションが起きた時代とされています。ここで登場するのがディープラーニングです。ディープラーニングは深層学習のことで、人間の神経細胞の仕組みを模したニュートラルネットワークシステムをさらに多層にして複雑化させたものです。大量のデータをもちいることでAI自身が自ら学習していくのが特長です。人間の脳により近くなり、高いレベルで対象の識別が可能になりました。精度の高さがうかがえたのが2012年におこなわれた画像認識コンテスト「ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)」です。同大会でカナダのトロント大学がディープラーニングシステムをもちい、1年前の優勝記録である誤り率25.7%を4割も削減した15.3%という圧倒的な結果を出しました。

次回は、第三次ブームをむかえた現代のAI、進化した機能で活用されている業界や業種、今の技術をもってしてもAIで出来ないことをお伝えします。