活用事例や経済効果は?話題のIoTとは! vol.2
IoTの活用事例
IoTを使った製品はすでに多く開発され、私たちの日常生活や産業に浸透しています。次に一般消費者向けの製品から、各産業での活用まで幅広く紹介していきます。
〇コンシューマ向けIoT
代表的なものはスマートフォンやスピーカーを介して家電などをコントロールするホームオートメーション。有名なのは先述した「Google home」や「Amazon Echo」「Home Pod」などの製品で、生活を便利にすることが主な目的です。一方、安全性を高めることを目的としたホームセキュリティーのIoT製品も多くあります。例えば、設置したカメラを通して住まいの防犯対策やペットの見守りなどをおこなうことができます。
〇自動車分野におけるIoT
スマートフォンと自動車を接続することでカーナビの役割を果たす製品や、通信機能を持ったドライブレコーダーなどさまざまなIoT製品が開発されています。なかでも注目されているのが自動運転システムです。周囲の状況を適切に判断し、「走る」「止まる」などの動作を自動でおこないます。高齢者や障碍者の移動手段、事故の減少、燃費の節約などに期待が高まっています。
〇交通機関におけるIoT
Webサイトや停留所のQRコード、専用のアプリなどからバスや電車などのリアルタイムの運行状況を知ることができます。特に運航時刻が変動しやすいバスは取り組みが進んでおり、バスが停留所付近に近づくと専用ディスプレイに到着を知らせるなどのシステムが活用されています。
〇物流におけるIoT
配送や倉庫の在庫管理などにおいてIoTは急速に発達しています。商品にセンサーやデバイスが装着され、リアルタイムで荷物の状況を確認することができます。画像解析で商品の検品をおこなうことができるなど、物流の効率化が進んでいます。今後はドローンや自動運転を活用した配送サービスの実現にも期待が高まっています。
〇医療分野におけるIoT
医療分野でのIoTは「IoMT(Internet of Medical Things)」と呼ばれています。特に注目を浴びているのが身体に身に着けて使用するウェアラブルデバイスです。身体の健康状態を記録し、管理することができます。活用が期待されるのが在宅医療や遠隔医療です。訪問時以外の状態を把握することができるため、患者の経過観察などにも活用できます。
〇美容エステ分野におけるIoT
IoTの技術を美容エステに応用する「ビューティーテック」にも期待が高まっています。例えばパナソニックが開発した「スノービューティーミラー」は鏡の前に立つだけで肌の状態を分析し、メイクアップの提案やシミュレーションをおこなうことができます。企業側はIoT製品から取得したデータをもちいて新たな製品開発をおこなうなど活用の幅は広がっています。
〇農業におけるIoT
農作業の省力化や労力軽減を目的として農業分野での活用が進んでいます。農地に取り付けたセンサーを介して、生育状況や日射量を感知。集めたデータを解析して水の量や肥料を与えるタイミングを計ります。農業技術の継承者は減少していますが、誰でもデータの解析が手軽にできるようになれば農業の知識や経験がない人でも参入しやすくなります。
IoT普及の背景
なぜIoTは急速な発展を続けているのか、理由は2つあると考えられています。
〇通信技術の進化
3G、4G回線が一般化されたことで、現在はスマートフォンを利用してどこでも通信ができるようになりました。この通信速度の速さは、IoTで重要となる遠隔での情報収集や操作に大きく貢献しています。さらに今後5Gの時代が来ることを考えると、IoTのさらなる普及が期待できます。
5Gについてはこちらの記事にて詳しく説明しています。
https://plus-b.jp/plusb2019/business-yorozuya/20191115/
〇企業側の参入のしやすさ
企業側のシーズの観点ではデバイスや運用コストの低減などが導入を後押ししています。従来は通信機器やセンサーなどのハードウェアや蓄積したデータの分析コスト、システムの開発や運営にかかわるコストなどが大きく一部の企業しか参入できない状態でした。現在はデータを収集する通信機器などのコモディティ化がすすみ、高機能でサイズの小さいデバイスが比較的安価で手に入るようになりました。さらに低消費電力化などの技術革新も進み、企業側にとって導入のハードルは下がってきています。
問題視されるセキュリティ
IoT製品の拡大にともない、新たな課題も浮上しています。今最も危惧されているのがセキュリティの問題です。機器の弱点をついたサイバー攻撃が問題となっています。具体的にはネットワークカメラやインターネットルーターへの不正アクセスです。情報漏えいやサーバーをダウンさせるなどの被害を引き起こします。対策としてはパスワードの変更やセキュリティ対策のソフトを導入するなどが考えられます。経済産業省と総務省が「IoTセキュリティガイドライン」を制定するなど対策が講じられています
今後への期待
IT専門の調査会社IDC Japanは世界のIoT市場規模が、2020年に1.7兆ドルになると予測しています。2014年の市場規模が約6,500億ドルだったことを考えると、その成長スピードはすさまじいです。さらにアメリカのCisco社はインターネットとつながるモノの数が、2020年には500億個になると予想しています。大きな経済効果をもたらすとされるIoT、今後の成長に期待が高まります