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これ知ってた?ビジネスよろず屋ブログ
光触媒マスクにくだった措置命令

消費者庁の景表法措置命令に不合理判定がささやかれる 的外した行政処分で不良誤認の疑い

広告の景表法適用をめぐる処分は厳しいものがあります。とくに措置命令が出ると課徴金は売上に対し3%と重加算税の趣きすらありますが、最近の措置命令で光触媒マスクがやり玉に挙げられました。しかし、この消費者庁の処分が「不合理だ」と怨嗟の声があがりはじめています。数多くの事件を伝えてきたエステ市場情報誌「ESTETICa BELLEZZa」の知見からお届けします。

光触媒マスクにくだった措置命令

2019年7月4日、消費者庁は光触媒を使用したマスクの販売事業者4社に対しマスクの表示について「不当景品類及び不当表示防止法(以下景表法)」に違反する行為が認められたことから措置命令をくだしました。措置命令の対象となった4社は、DR.C医薬株式会社、アイリスオーヤマ株式会社、大正製薬株式会社、玉川衝材株式会社。ホームページ上に掲載されている内容をみると対応はさまざまです。

表向きは優良誤認を認めている3社

アイリスオーヤマ株式会社は「『光の力で分解するマスク』に関する景品表示法の違反についてのお詫び」と称し違反を認め一般消費者にお詫びするかたちの文面となっています。

DR.C医療株式会社は、自社のホームページに要約する以下のような内容の文面を掲載しています。「広告表現は、文献や外部機関に委託しておこなった試験結果などに基づいた適正な表示に努めてきたつもりです。対象製品の表示の根拠についても消費者庁に対して真摯に説明をしたが十分な理解を得ることができませんでした。景表法違反の措置命令うけたことは厳正にうけとめ改善をしていきます。ただ対象製品の安全性や機能自体が棄損されたわけではないので今後ともご利用ください」表示根拠に対しての消費者庁の判断に対して納得していないという姿勢です。

玉川衝材株式会社は、7月4日付と7月27日付の2つの文面を自社ホームページに掲載しています。7月4日付けの内容を要約すると「消費者庁から商品パッケージの表示が優良誤認のおそれがあるので、根拠となる資料の提示を求められました。資料を提出したところ、根拠を示すものではないと判断されました。消費者庁から指摘されたのは、表示に対する合理的な根拠が十分ではなかったということであり、製品の光触媒効果自体が否定されたわけではありません。今後、同じようなことが起きないように社内の体制や役員、従業員に周知徹底し法令遵守の意識を高めます」とのこと。7月27日付けの文面は、一般消費者向けに優良誤認を認めお詫びし再発防止に努めるという内容です。

表示していないのに措置命令か

もっとも鼻息が荒いのが大正製薬株式会社です。同社は7月12日、自社ホームページ上に「消費者庁による措置命令に関する見解」という文面を掲載しています。その内容は消費者庁がくだした措置命令についての内容が合理的でないという考えを明確にしており、そのうえで法的にとり得る対応・措置を検討するとしています。消費者庁がおこなった試験は光触媒によって花粉などの有害物質が二酸化炭素に分解されなかったとするものでした。ところが、同社の商品パッケージには二酸化炭素に分解されるといった表示がないのです。

また、同社は、消費者庁がおこなった二酸化炭素濃度の増加の有無を判断するといった試験方法についても「妥当な試験方法ではない」との見解を発表しています。その理由を3つあげています。

  • ①花粉の分解による二酸化炭素の増加を検出することは困難
  • ②マスク使用時の条件を考慮した試験でない
  • ③二酸化炭素を測定する上で考慮すべき事由が考慮されていない

さらに、一部報道によって同社がマスクの効果について「花粉などを水と二酸化炭素に分解する」といった虚偽表示をおこなったという印象を持ったかもしれませんが、一切そのような表示をしていないとしています。

まとめ

さて、行政による理不尽な対応というのは、ときどき浮上する問題です。今回の事案はまさにそんな一件かもしれません。大正製薬は法的対抗を表明していますが、その他の企業は泣き寝入りという構図でしょうか。とすると、行政による不適切処分というのが表面化した場合それは氷山の一角で、水面下には膨大な泣き寝入り事案があるのだろうと想像もできます。この記事は8月9日時点のものです。今後、消費者庁や大正製薬から報道発表があるかもしれません。その際はまた追加情報をお伝えしたいと思います。