美容医療が特商法業種にーエステ同様消費者トラブル激増から閣議決定

6月27日、クーリング・オフ制度の対象に美容医療を加えることを閣議決定しました。 今回の決定は、美容医療に関するトラブルが増加していたことが背景にあるようです。

 「美容医療」と「エステ」 対象・対象外の境界線とは

クーリング・オフとは、契約したあと冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度のことをいいます。これまで、エステ店での長期契約やサービスに関しては対象とされていましたが、美容医療は対象外とされていました。理由は、国家資格である医師免許所有者が医療機関でおこなう「医業」としてみなされていたからです。類似するエステ店の施術は、無資格でおこなえる「サービス」としてあつかわれ、美容医療との境界線は歴然としたものでした。

今回、クーリング・オフの対象となった美容医療は、「脱毛」「にきび・シミ・入れ墨などの除去」「シワ・たるみ取り」「脂肪の溶解」「歯の漂白」の5種類です。特定商取引法に関する政令を改正し、今年12月1日に施行されます。法改正後は、契約期間が1カ月以上で金額が5万円を超える美容医療の契約に対しては、クーリング・オフや中途解約ができるようになります。

増加傾向にある 美容医療の消費者トラブル

今回の閣議決定の背景になっていたのは、美容医療についての消費者トラブルが増えていることからです。独立行政法人国民生活センターに寄せられた美容医療サービスに関する相談は増加傾向にあり、昨年は2,000件以上のトラブルが寄せられていました。トラブルの主な内容として、「チラシやHPの価格を見て施術を受けに行ったが、実際はそれよりもずっと高額な契約をすすめられた」「カウンセリングのつもりで行ったが、即日施術され契約を解除できない」「中途解約に応じない」「施術後に身体的な被害を受けた」などです。販売方法や広告などに関する相談は多く、2005 年度から 2009 年度の 5 年間で 2,996 件が国民生活センターへ寄せられています。HPやチラシ広告などで、費用が低額であること、他の医療機関より優れていると主張すること、確認できない優位性をうたうなど、消費者に誤解を与える表現がトラブルにつながっているようです。

政府は今後、事業者に対してクーリング・オフや中途解約の対象にするだけではなく、契約時に施術内容や料金、期間を明記した書面を患者へ渡すよう義務付けます。また、消費者に誤解を与える誇大広告を禁じ、違反すれば行政処分の対象にします。規制強化にともない、美容医療の広告手法や集客方法の見直しが迫られています。